音楽文化?なにそれ?

日本のネットレーベル、終わりの10選


2011/6/10
 



 ネットレーベル。聞き飽きたっつーの。主要レーベルは漁りつくしたし、最近のマルチネはちょっと食傷気味。そんな人たちのために、編集部で「本当に聴くべき」日本のネットレーベル10個ピックアップした。


 1.UGU

 No.305主宰のジャパニーズスカム系ネットレーベルの始祖。一見さんお断り、ノイズ&超現代音楽のオンパレードに訪問者を圧倒する。おいおい、日本が海外に誇れる音楽っつったら昔っからメルツバウとか非常階段だったんじゃねーの?!?!UGU取り上げないとか語るに落ちるっつーの!先月blipに出演したNNNNNNNNNNの若き日の音源もダウソできるっ★☆


2.つくしレコーズ

 karanabe、umio、otosumi等、真の実力派がひしめき合う、今一押しの新興レーベル。デザイン性に溢れたレーベルロゴや、CD-R販売などの積極的な活動は、昨今の「とりあえず作っとけばいいしょ?」のようなレーベルが多い中、賞賛に値するといってもいい。ページはtumblrを利用し、見やすくスッキリとした外観が好印象である。

3.Vol.4 Records

 「は、はれぇ…僕たち西のVol.4とか言ってる割に、本家から見向きもされてないんですがぁ…」との嗚咽も聞こえてくる、邪険に扱われることに定評のある、関西のネットレーベル。作品のリリースは雑多であるが、漢臭いストイックなリリースが多く、耳の肥えたリスナーから人気がある模様。「ぼ、ぼくたちもアニソンカットアップとかしたらいいんですかね?」 ……いや、そんなことしなくても、良い音源が多いので、アンチマルチネ、アンチアルテマ第一線で頑張ってほしいところ。マジで。

4.Otherman Records

 Oの間にきらりと光る第3の眼が印象的なOtherman Records。ブレイクコアやチップブレイクといった激しくも儚い作品が目を惹く。iserobinやCa5といった、現在のシーンでもかなり有望視されるアーティストを抱えていたり、brain dance compilationなどといった、往年のリフレックスファンを歓喜させるような作品も多数リリースしており、優良企業感が溢れている。

 
5.Hz Records

 最新リリースのyaporigamiがまず、目を惹く。本気度が他のネットレーベルと一線を画している点で、今後の展開がマジで期待できる、本年度一押しのレーベルだ。作品リリースは4作であるが、既に都内でレーベル主宰のイベントを慣行しており、その筋のファンが多数参加した。海外に通用するという意味でも、Hz Recordsは今後、日本のネットレーベル界において大いなる資産になるであろう。


6.tialicot

 逆襲チルドレン、shako-pani主宰、shako-paniの音源がダウンロードできるネットレーベル。彼の音源こそ、日本のネットレーベル界の至宝といっても過言ではなく、shako-paniの音源に触れることのできないリスナーは、はっきりいって大きな損をしている。そういった意味でも、真っ先に目を向けて欲しいレーベルであるのだが。

 

7.poreporecords

 fazerockやシャルロといった、ネットレーベル界隈でも人気のアーティストの音源がダウンロードできる。「poleporecordsは日本及びスワヒリ語圏におけるクラブミュージック文化の普及に貢献する ために立ち上げられたネットレーベルです。」という一文が謎を呼ぶ。音源もコンスタントにリリースを重ねており、東京圏に属さないレーベルとして、今後の活動が期待される。

8.no-disco Records

 yambabomとkyojakkypink主宰のネットレーベル。主宰の片割れであるyambabomは7月に、都内で開催されるかなり大きなクラブイベントに出演、初Liveとのことで、今注目を集めている。日本のネットレーベルには珍しく、「私をディスコに連れてって」という漫画を定期的に連載しており、こちらの動向も気になるところ(はっきりいって、けっこう面白い)

9.胸毛レコーズ

ケオリガバで一躍時の人となったディスク百合おん主宰のナードコアナードネットレーベル。ギャグで終わるんでしょ?との、大方の予想を裏切り、マイペースに作品を発表し続け、近年では"良い感じ"のネットレーベルとして好評を博している。最近のリリースでは、ディスク百合おんの往年の名曲「DISC NATION」を、彼の旧友達がRemixした「DISC NATION REMIXES」が話題になっている。こちらはmp3形式ではなく、CD形式での販売となっており、他のネットレーベルとはまた違った動向を見せている。


10.sayonara Records.

似非原主宰、タンブラーを活用し、海外展開も視野に入れたレーベル。コンスタントに佳作をリリースし続けており、もっと注目されるべきである。主宰似非原は見事就職が決まったらしい。おめでとうございます。


 

以上が編集部が推薦する10レーベルである。他にもPPS主宰のUP 1236レーベルや、「PRAY FOR JAPAIPAN」との一言を残し闇に消えた青春不眠などには注目したいし、御陀仏レーベルの復活も期待される。

あの一覧に載せられた経緯は議論であったと一言で語られており、選抜された10作品が何故「初めの10選であるのか」の部分が不明瞭であったように思える。推測ではあるが、コンセプトが明確にあり、そのコンセプトが他のレーベルと被っていないこと、や、単純に音楽だけをリリースしていない、デザイン方面等も視野に入れているところなどがポイントであったのではないだろうか。

それに対し、我々は音楽面においての「作品の質」「将来性」今までネットレーベル界隈に与えた「影響」、「活動履歴」をピックアップし、今回10レーベルを選抜させていただいた。

これらのレーベルを手始めに、さらにネットレーベルの世界に浸ってみてほしい。

(antinetlabel.jp編集部)

 

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